――いつかみた、どこかへ。皆知っているが誰も知らない。すぐ足元にある、クラき異郷。 街の地下には様々なものが吹き溜まる、未知の広大な空間があった。光あふれる地上からあぶれ落ちた人や物。あるいは、奈落の奥底より湧き出た「何か」たち。 「坊や、あの祭列についていってはいけないよ」「どうして?」「永遠に、クラガリを彷徨うことになるからね」 いつもの朝、いつもの道、いつもの街角。それらのすぐ脇に闇はぽっかりと口を開け、踏み込む者をじっと待っている。これは「異郷」を往来する者たちと、その中を邁進する謎の装甲列車「ソコレ四六三」の、冒険の物語である。
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